iPodの中身はー 音楽への嗜好性
現役中には主として休日に、リタイアー後は天気さえよければ、ほぼ毎日ウオーキングを楽しんでいる。近所の川の土手などでは、多くのお仲間さんとすれ違う。老若男女。体力のある若い人々はジョギングないしはマラソン練習の様子である。
多くの若いランナー達はイヤホンやヘッドセットを付けている。最近のロックやJポップなどを聞いているに違いない。中高年で片耳にイヤホンを差し込んでいる人は、多分携帯ラジオのニュースでも聴いているのだろう、と勝手な想像をしている。
最近、思いもよらずアップルのiPodを手にした。毎日のウオーキングにこれを利用しない手はない。さっそくパソコンを利用してiTuneから思いっきり沢山の楽曲を入れ込んだ。さて、その中身だが・・・・・
プレイリストの分類は①外国曲、②わらべ歌、童謡、小学唱歌、ラジオ歌謡、民謡、③フォーク、ポップス、歌謡曲、そして果てには④戦時歌謡、軍歌・・・などとなった。何のことはない、まさに音楽の「混ぜご飯」状態である。
以前、「あれも食いたい、これも食いたい」という連載エッセイがある週刊誌に掲載されたことがあったが、わたくしの場合はまさに「あれも聴きたい、これも聴きたい」である。
一体、日本人の音楽に対する嗜好性とは何だろうか。クラッシックも好きだが、美空ひばりが大好きだ、ジャズ、ポップス、ロックもよいが五木ひろしや氷川きよしもよい、北島三郎も聴きたいという人も結構多い。クラッシック音楽だけを語る衒学的態度は流行らない。
昭和十年生まれのものにとっては、幼いころの思い出となる歌は、童謡といえどもなんらかの形で戦争と結びついている。高校時代には、重くて割れやすい材質のSP版交響曲アルバムなどを友人間で貸し借りしたものである。
終戦後にはアメリカンジャズ、シャンソン、タンゴ、モダンジャズなど西洋音楽が大量に流入してきた。一方、日本特有の「流行歌」の時代もやってきた。名曲喫茶店、歌声喫茶店などが隆盛を極めた。ハリー・ジェイムズ、グレン・ミラー、ベニー・グッドマン、エディット・ピアフ、シャルル・トレネ、イブ・モンタン、フランシスコ・カナロ楽団、アルフレッド・ハウゼ楽団、マイルス・デービス、セロウニアス・モンク、etc.etc.・・・
プレスリー、ビートルズ、モダンジャズ、ソウルミュージック、1970年代の和製フォークミュージックあたりまではともかく、近年の若者層に喜ばれているある種のジャンルにはどうしても入っていけない。団塊の世代の好みとも少し違っている。
そんなわけで、自分勝手な「混ぜご飯」を楽しんでいる。
*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」については下記サイトをご参照ください。