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2013/01/30

訃報:安岡章太郎 = 第三の新人

 作家安岡章太郎氏の訃報に接した。1月26日、老衰のためとある(享年92)。安岡の生まれは1920(大正9年)。

 いわゆる戦後派作家に続くものとして名付けられた「第三の新人」は、概ね大正の中・後期に生まれ、20代半ばで終戦を迎えている。戦時中、学徒から入隊し、戦後大学に復帰した人もある。

 昭和29年に上京して学生生活を始めた当時、まず手にしたのが戦後派作家の椎名麟三や安部公房、大岡昇平など、それに続くいわゆる「第三の新人」たちの作品であった。

 安岡が芥川賞を受賞したのが昭和28年。 昭和31年に石原慎太郎が「太陽の季節」で受賞してから、芥川賞に関する限り文学の流れが少なからず変わったような印象を受けた。 

 ここ十数年の間に「第三の新人」の多くがこの世を去って、時代の変遷を痛感している。吉行淳之介、遠藤周作、近藤啓太郎、小島信夫、庄野潤三らである。その前後の好きな作家、島尾敏夫や北杜夫なども今はない。 寂しいかぎりだ。

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 庄野潤三の著作に「文学交遊録」(新潮文庫)がある。1994年に文芸誌「新潮」に一年にわたって連載されたものが収録されている。当時の作家の先輩、同輩との交わりが幅広く記されていて興味深い。

*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」については下記サイトをご参照ください。

 http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_9a53.html

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