杞憂か ー 天が落ちる、天井が落ちる(笹子トンネル事故)
昨12月2日(日)、中央自動車道上り線の笹子トンネル内で、約130メートルにわたって天井板が崩落し、自動車火災も発生するするという惨事がおこった。少なくとも9人が命を落としたと聞く。
喜寿を迎えた現在も未だに運転免許証返上を決心できない者として、若い頃にはそんなことはなかったのだが、運転をしている限りいつか自分もこのような事故に遭遇するのではないかと心配することがある。
杞憂だろうか。東北地方の大震災以降、地震や津波、台風、洪水などの天災のみならず、行政や企業組織の不備による人災が極めて身近に感じられるようにもなった。
ビルディング、高架道路、橋梁、トンネルなど頑丈であるべき構造物も経年劣化する。亀裂の入ったコンクリート、露出した鉄骨・鉄筋、赤く錆び付いたボルトなどはあちこちで目にする。いったん作られたモノは適切に維持管理されなければならない。
高度成長時期に建設された構造物は、酷使に耐えながら数十年を経過しようとしている。日頃の点検、補修はどうなっているのだろうか。今次の事故のトンネル内天井板は、場所が高すぎて届かないので単なる目視検査だけで済ませていたとか。打音検査などによる腐食・劣化診断はそれほど難しいことではないはずだ。
「国土強靭化計画」はやっぱり「コンクリートから人へ」に優先するとの短絡的論理を正当化するのだろうか。
いずれにしても、全国的に老朽化の著しい巨大インフラが抜本的な補強を緊急に必要とする段階に来ている。今後このような大事故が続発しないという保証はまったくないのだから。事故が起こってからでは遅すぎる。総点検!
*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」については下記サイトをご参照ください。
http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_9a53.html
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