軍国主義教育にみる戦中小学校国語教科書(4/4)
文部省検定による小学国語読本・巻六は、昭和16年まで使用されていた尋常小学校三年生用の国語教科書である。
これに対応するのは、昭和17年の文部省検定による初等科国語・二である。 すなわち当時の国民学校(小学校)国語教科書三年生用である。
「国民学校」は、前身の「尋常小学校」が昭和16年の国民学校令によって改組されたものであり、これは敗戦後の昭和21年までのわずか数年間存在したが、再び「小学校」となり現在に至っている。
満州事変に端を発した15年戦争とよばれる昭和の戦争は、太平洋戦争(日米開戦)の勃発を機に最終段階に突入した。段階的に軍国主義教育の色を濃くしていった小学校教育の推移は、国語教科書にもはっきり認められる。
「尋常小学校」と「国民学校」の国語教科書三年生用に同じ「軍旗」と題した文章がある。どちらも「軍旗」によせて、天皇と軍に対する国民の忠誠を強烈に煽っている。
小学国語読本・巻六 (尋常科用)(昭和11年文部省検査) 題名「軍旗」
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初等科国語 (昭和17年文部省検査) 題名「軍旗」
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軍旗(広辞苑より引用):とは
軍隊の表章とする旗。旧日本陸軍では歩兵と騎兵の連隊に天皇が親授し、大日章に16条の光線を描き、竿頭に3面の金色菊花章を飾り、紫の総(ふさ)で3方を縁取ったもの。連隊旗。
軍国主義教育にみる戦中小学校国語教科書(1/4)はhttp://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-8d9a.html
軍国主義教育にみる戦中小学校国語教科書(2/4)http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-b6f1.html
軍国主義教育にみる戦中小学校国語教科書(3/4)はhttp://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/3-5ad0.html
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