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2010/01/07

海を渡る日本現代美術・光山清子 著

 今からちょうど三年前、「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」に関するこのブログを立ち上げた。

 その目的は、冒頭の「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか」に述べている通り、40数年の昔に米国ニューヨーク市で日本芸術展が開催されたとの事実を、世の美術愛好者や関係者に知ってもらうことにあった。

 おかげで、これまでに延べ三万人余の方々の目にとまり、今やジャパン・アート・フェスティバルも、関係者の間ではいささかの市民権を得つつある。その意味では所期の目的をある程度達成できたのではないかと考えている。

 ただ、上記「始末記」で取り上げた内容は、あくまでもその実行組織の事務局スタッフとして展示会の運営に携わった者の体験や感想に限られている。 プロジェクトの基本的方針、作家・作品の選定、展示会の内容や構成についてのアカデミックな考察や、歴史的な検証は守備範囲外である。

 4326851880_2 光山清子氏著による「海を渡る現代美術・欧米における展覧会史1945-95」(勁草書房)が出版された。 20世紀後半の海外における日本の現代美術のプレゼンスに焦点を当て、その歴史的意義について詳細に検証している。その中でジャパン・アート・フェスティバルが柱の一本として取り上げられている。

 ジャパン・アート・フェスティバルに関する正確な資料の入手、蒐集が必ずしも容易ではない状況の中で、可能な限りの詳細な情報を集めて、本プロジェクトに関して果敢な検証を試みていることは画期的ともいうべきだろう。

 ところでジャパン・アート・フェスティバルは政府や自転車振興会の補助金対象事業であった。公的資金の補助を受けるめには自己資金の確保が前提となる。財界や企業からの寄付金が不可欠であった。

 いかなる事業も、それが実現されるためには裏付けとなる財政的措置がかなめとなる。 教育、学問、研究、科学、福祉、そして宗教活動すらも。もちろん芸術も例外ではない。

 金がなければなにもできない。事務局スタッフとして第一線で実施運営に携わった者にとって終わることのない最大の問題は常に財政であった。金なくしてはなにも動かない現実があった。改めてこの相容れることのない「事業と金」の問題を想起した。いみじくも先日来の民主党政府予算編成にかかわる「事業仕分」を思い出した。

  *本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」については下記サイト「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか?」をご参照ください。

http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_9a53.html

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