戦前、戦中の小学国語教科書ーサクラ読本・アサヒ読本
前回の記述に引き続いて、さらに昔の小学校の国語教科書に触れてみたい。
昭和初期から終戦時(1945年)までに小学校で学んだ人々の間では、「君はアサヒ世代か、僕はサクラ世代だ」というような会話が交わされることがある。現在ほぼ70歳以上の世代である。
小学校入学時に初めて支給された文部省検定の国語教科書によって、互いに世代を確認し合うというぐあいである。
昭和15年までに入学した児童には、「尋常科小學國語讀本・巻一」(サクラ読本)が、16年以降の新入生には「ヨミカタ・一」(アサヒ読本)が支給された。
前者は「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」で、後者は「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」とどちらも片仮名の文章で始まる。前者はつくりも立派で、挿絵などの印刷も美麗かつ繊細なものであった。

昭和17年入学の私たちが使用したアサヒ読本は、戦時中の物資不足を反映して、紙質や印刷も随分質素になり、前者と比べてかなり見劣りがする。兄や姉たちの美しい教科書が羨ましかったことを覚えている。
ともに、一年間を二分冊に分けており、前者は「尋常科小學國語讀本・巻一、二」、後者は「ヨミカタ・一、二」となっていた。内容も徐々に戦争を意識したものに変化していった。
ひらがなの学習が始まるのは二年生から。新漢字の登場は、サクラ読本二分冊で316文字、アサヒ読本では415文字であった。
*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」については下記サイト「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか?」をご参照ください
http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_9a53.html



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