« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

2008/02/01

落穂ひろい(19)日本の版画

 001_4  「日本の版画1945-1950・日本の版画とはなにか」と題して千葉市美術館で開催中(平成20年3月2日まで)。同館の特集「日本の版画」シリーズの第五弾とか。

 同館訪問は今回が初めてなので、シリーズ初期のものがどのようなものであったのかは、残念ながらすべて見逃した。

 今回は太平洋戦争開始前後から敗戦後数年に至る約十年間の作品を対象としている。前半は無謀な戦争によって多くの生命が奪われ、あらゆる物資が逼迫し、すべての日本人が表現の自由を奪われた時期であり、後半の敗戦後は未曾有の経済的貧困を体験した時期である。

 物資・材料不足のそんな時代背景を示すものか、この時代の版画は殆どが木版画に限られていたようだ。エッチングやメゾチントが再登場するのは50年代に入ってからであったらしい。厳しい時代を反映してか、作品は全般に地味で素朴ですらある。また、戦時色を帯びたものが目に付くものの、何故か懐かしい色調や風景、形が認められる。版画本、雑誌、書籍の装丁、ポスター、カレンダーなどにみられる作品にも大いに郷愁を感じる。 

 僅か10年後の60年代半ば頃には池田満寿夫、靉嘔といった気鋭の版画家達がニューヨークなどを舞台にして国際的に活躍していたことを考えると感無量である。 私が後年(1966年)ジャパン・アート・フェスティバルで関わった関野準一郎、斎藤清、北川民次、脇田和、棟方志功、泉茂、利根山光人などが展示されていたことにも興味を引かれた。

*本編「国際芸術見本市始末記」については下記サイト「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか?」をご参照ください。http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/

 

2008/02/03

落穂ひろい(20)平安王朝に思いを馳せて(源氏物語千年紀)

1182903901634

1184720604432_2 1201580078651_2 京都府・京都市では多方面の関連団体の協力を得ながら、今年2008年を「源氏物語千年紀」として、源氏物語にかかわる様々の記念事業を計画しているようだ。

 1994年に平安遷都1200年記念を祝った京都であるが、わが国の代表的な長編王朝文学・源氏物語が1008年には存在したという歴史的文学記録に基づいて、今年をその1000年紀としたもの。

 なかでも、本年4月から6月にかけて京都文化博物館で開催される「源氏物語千年紀展」は、国宝、重要文化財などを含む資料にもとづいて、「源氏物語」を総合的に展示しようというもので期待したい。詳しくは下記サイトで。(上記イメージは、同事業公式シンボルマークとキャラクター)

千年紀事業について:http://www.pref.kyoto.jp/2008genji/index.html

千年紀展について:http://www.bunpaku.or.jp/exhi_genji.html

*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」は下記サイトからどうぞ:http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/ 

2008/02/09

落穂ひろい(21)わたしいまめまいしたわ

                 @東京国立近代美術館

Img580_15   藤田嗣治、岸田劉生、フランシス・ベーコン、浜口陽三、高松次郎、,牛腸茂雄,秋山祐徳太子、草間弥生、澤田知子・・・etc.、時間的にも一世紀にわたる作品群が、平面、立体、写真、映像、AV、・・・etc.の多彩なメディアとして展示されている。

 それ自体は独立した個別の作品でありながら、テーマに沿って意図的、かつ系統的に展示されている。テーマは「現代美術にみる自己と他者(self/other)」。他者との関連において自己の再認識を試みようということらしい。しかつめらしい解説はさておき、鑑賞者の主観によってその視点も百人百様だろう。結構楽しめる。人によっては少しめまいする人もあるかも。

 会期は3月9日(日)まで、竹橋の東京国立近代美術館で

 山種美術館の「春のめざめ」直後のハシゴであっただけに、それなりの斬新さを感じた。こちらは大観、古径、松園、栖鳳、雅邦、関雪、龍子、土牛、深水、御舟、魁夷、寧ら。まさに、冬来たりなば春遠からじ。

*本編「国際芸術見本市始末記」については下記サイト「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか?」をご参照ください。http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/

落穂ひろい(10)飛行機のこと(不眠症)・再転記

  どちらかと言えば不眠症の性質である。本編にも記したように、「国際芸術見本市」(ジャパン・アート・フェスティバル)に関わった4年間は、まさに出張に次ぐ出張の連続であったが、勤務先が変わった後の35年間もやはり海外出張が続いた。殆ど毎年、時には二度三度も。そしてホテル生活。そんなわけで飛行機の旅とホテルでの生活は否応なしであった。

 機内で眠ることに得意な人と、不得手な人がある。これまでに、ぐっすり眠ったという満足感を得たことはまずない。もっとも、これは機内だけではなく、当時は旅先のホテルでも不眠症に悩まされたことは、本編の元となった「古い日記」の其処此処に記しているとおりである。街のドラッグストアで睡眠薬をもとめたり、夜中に目覚めて朝まで小説や雑誌を読んだりしたこともしばしばあった。

  機内では、絶え間ないエンジンの音が徐々に意識を麻痺させるのか、朦朧とした頭の中で際限の無い思考を繰り返す。旅先でのこれからの仕事のことや、まだ見ぬ将来のことに始まって、果ては数々の思い出など、とくに遠い幼少の頃の記憶、故郷の四季や懐かしい折々の行事、そして家族や今はとっくに亡くなった親族や先祖のことなどにまで思いを馳せる。結構楽しい時間つぶしになる。

 同時に適当にチャンネルを切り替えながらヘッドフォンからの音楽も受け容れる。クラッシック、ジャズ、ポップス、演歌・・・時間を経て頭はますます疲労し朦朧としてくる。 

 或る時期(1967年頃)から、日本航空では城達也のナレーションによるジェット・ストリームが流れるようになった。これも、高度一万メートルの雲海飛行を実感しながらの心地よい眠りを誘ってくれたものだった。そういえば昨年はその40周年にあたるとのこと。そして現在のナレーター(パイロットと言うのか)は伊武雅刀であるとか。

 近年では機内の映画も楽しみのひとつに。懐かしい名画に始まって、セントバーナードが主人公の「ベートーベン」やイギリス喜劇「ミスター・ビーン」に初めて遭遇したのも機内であった。

 種々の旅行グッズが売り出されるようになった。耳栓、アイマスクはおろか、果ては首を固定するための、水泳用の浮き輪に似たものまでが。確かに、狭い座席ではどう工夫をしても寝心地が良いわけは無い。時には二つ、三つの枕を当ててみたり、体の向きを変えてみたりしての悪戦苦闘が続く。

 最近では、運動不足と歳のせいか、また不眠に苦しむことが多い、と自分では思っているのだが、どういうわけか家人からは、いびきの大きさを指摘されている。一度でいいから、大きいいびきをかく位に深い睡眠をと自分では願っているのだが。考えてみれば、シャワーを浴びてパジャマに着替え、静かな自宅の100%フラットなベッドに横たわれることに比べれば、機内のファーストクラスも物の数ではない、毎晩が超デラックスクラスの飛行なのだ、と自分を慰め納得させながら不眠症と闘っている。

*本編「国際芸術見本市(ジャパン・アート・フェスティバル)始末記」は下記サイトからどうぞ:http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/ 

2008/02/24

落穂ひろい(22)再会(その2)

Img585_3 ~コレクションの新地平(New Horizon)・20世紀美術の息吹~

 東京・京橋のブリヂストン美術館のコレクション展示(4月13日まで) である。

 おなじみの「常設展示」に続いて、「版画と水彩」では多彩な作家に加えて「ベン・シャーン」を、続いて「ザオ・ウーキー」などを特集している。「戦後美術から現代へ」と題しては懐かしい日本人作家の名前も多く見られる。

 ジャパン・アート・フェスティバルの出展作家として佐藤敬、今井俊満、菅井汲、野見山暁治、堂本尚郎、白髪一雄などが。

 「抽象への道」としては、猪熊弦一郎、斎藤義重、村井正誠も。

 42年振りに再会した白髪の超大型作品「白い扇」は、「赤い扇」「緑の扇」の三部作の一つ、その昔大型トレーラーに同乗して米大陸を一緒に行脚した作品であった。懐かしい再会であった。

 現在活躍中の堂本、白髪らを除いて、殆どの方々が鬼籍に入ってしまったことを実感しながら年月の経過を再認識した。今日の芸術家達の活躍にも、戦後から20世紀半ばに活躍した当時の若き新鋭芸術家達の息吹が引き継がれていることを実感する今日この頃である。

*本編「国際芸術見本市始末記」については下記サイト「ジャパン・アート・フェスティバルを知っていますか?」をご参照ください。http://gastrocamera.cocolog-nifty.com/blog/

 

« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

2008年7月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック