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2007/02/17

第二部 国際芸術見本市始末記・シカゴ展(7)

・工芸品の梱包は目が離せない

12月12日(月) 曇り

 昨夜は風呂にも入らず、九時頃床に入った途端に寝付いてしまった。

朝風呂を浴びて朝食。直ちにシカゴ美術館へ行く(午前八時)。梱包はあと大二個、小二個の四ケースを残すのみ。午前中はもっぱらテキスタイル関係の作品整理に追われる。和服などは自分でたたむ以外に方法は無い。完全を期すためには、目の届かないところでの梱包は絶対にさせないこと。特に小さい作品は、それぞれの個別包装の段階から確認を要する。夕刻までに梱包はほぼ完了。但しケースNo.18が未だに見当たらない! 

サンフランシスコのアジアティック・フォーワーダーズ(カミンズ社長)より、至急電話を欲しいとの連絡あり。ホテルから掛ける。運送料の賃率について回答を求められる。一難さって又一難! 夜、Clark & Divisionの「みやこ」まで夕食に出かける。

運送賃率の了承を得るために東京へ国際電話を申し込む。十時過ぎ国際電話が入り風間君と話す。結局、ニューヨーク展以降については何も決められておらず、全てについてその都度新たな取引交渉をしていかねばならないと言うことだ。

12月13日(火) 曇り

 九時過ぎ美術館へ行く。いよいよ寒さも厳しい。

最終的にケースNo.18がまだ見つからない。無責任体制! ホテルに戻り洗濯。

サンフランシスコのアジアティックから電話が入り、賃率はポンド当り五十セントでは如何かとのことである。保険関係の全面的保証を確保するとのことゆえとにかくOKを出すことにした。

事務局青柳氏へ手紙を出す。直後に再び事務局へ速達便を追加。いよいよ手許不如意でホテルの支払いも心配になってきた。夜、またもClark & Divisionへ(すき焼き)。

12月14日(水) 晴

 今回シカゴに来て初めての青空だ!

 九時に美術館のShipping Room(出荷室)へ行ってみる。ケースNo.18は昨日夕刻にネプチューン社より届けられたとのこと。なんたることか! ケースの乾燥を待って明日梱包の予定。

特に為すこともなく、しかし安堵しながらホテルに戻る。洗濯少々。昼食はHow Kowまで行って、チョップスイとライスを取る。

夕刻、外食を兼ねてステート・ストリートを散歩。いよいよクリスマス一色、サイレントナイトのメロディー、救世軍の鈴の音、合唱隊の声、買い物袋を抱えた群集! それにしてもこの二日間の無駄は痛かった。

12月15日(木) 晴、時々曇り

 九時起床。夢ばかり多くて熟睡していないようだ。今日は寒さもさほど厳しくない。

美術館へ行って主任学芸員スーェル氏に会い、請求書の作成、送付など迅速な事後清算を強く依頼しておく。また、売れた作品の代金は東京のJapan Art Festival Association, Inc.(協会)へ小切手で直接送ってくれるよう依頼する。 

一旦ホテルに戻り、ロビーで一時間ばかり休む。睡魔を振り切ってシカゴ総領事館へ行く。菊地領事に挨拶し三十分ばかり報告する。街のカフェテリアで昼食後、ホテルに戻り自室で暫くテレビをみる。夕食は東京ティーガーデン(Huron & State)へ行き刺身を食う。夜景を見ながら落ち着いた気分で歩いてホテルに戻る。

パーマハウスの向い側、モントゴメリー(Montgomery)服飾店で英明のズボン二本、ジャケットを買う(約十三ドル、四、七〇〇円位か)。あと数日を無為に過ごすのはいささか苦痛だ。

12月16日(金) 曇り

 七時起床。八時に美術館へ。ピッケンズ・ケインのトラックは八時前に到着していた。フォークリフトと四人の人員をよこして来たが、肝心のトラック会社PIEのバンが来ない! 結局、荷積み開始は十時からとなる。一台は小さすぎたので、さらに大きいバンを取りに戻るなど、万事手際が良くない。パッキングリストを睨みながら、積載作業を逐次確認する。午後四時、荷積みが完了する。

一旦ホテルに戻り、地下鉄でClark & Divisionへ日本飯を食いに行く。シャワーを浴びて八時すぎには床に入る。

・シカゴをあとにロサンゼルスへ

12月17日(土) (シカゴ~ロサンゼルス)

 六時起床、ホテルをチェックアウト。シカゴは快晴、意外に暖かい。

六時四十五分発のリムジンバスでオヘア空港へ向う。早朝の乗客は一様に眠そうで無口、車内は静寂そのもの。毎度のことながら酔眼朦朧の、しかし心安らかなこの雰囲気、このひとときが最高! なんとか無事に仕事を終えて帰国の途に着くときの解放感と安堵感。

空港でスイートロール、紅茶のスナック。飛行機は予定より遅れて、九時三十分にシカゴを発った。ロサンゼルス空港より電話をしてスタットラー・ヒルトン(Statler Hilton)を確保する。空港のスナックバーで昼食を済ませる。ホテル自室でしばらくくつろいだ後、例によってホテルの近隣を見て回る。

夕食はリトル・トウキョウの栄菊でまぐろ丼を。握り飯三個をテイクアウトしてホテルに戻る。夜、思い切って洗い替えのない最後のワイシャツを洗濯する。

12月18日(日) (ロサンゼルス)快晴

 八時半起床。二個残してあった昨日の握り飯、一個が水道の蛇口の下に置いてあったので水浸しだ。とにかく朝食には残りの一個を食べる。味気ない! 外に出てみる。日曜日のこととて人通りも殆どない。ウイルシヤーブールバードに沿って三十分ほど散歩。

冬服ではいささか汗ばむ。この季節のロスは半そで、開襟シャツ、袖なしブラウスの人もいれば、軽いオーバーコートを着た人もいる。ま、日本の四月半ばの陽気である。

昼食はホテルのコーヒーハウスで。午後一時四十五分、グレイライン観光バスでノッツベリー・ファーム(テーマパーク)へ行く。ゴースト・タウンなどをみて回り約二時間半くつろぐ。午後六時前にロスに戻りリトル・トーキョウへ。「三つ葉鮨」でうどんを食べる。寿司一人前を持ち帰り夜遅くホテルの自室で摘む。

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